料理をするときの計量には様々な道具を使いますが、中でも重要な位置付けのはかり。
はかりには大きく分けて、バネ式のアナログタイプ、デジタルスケールの2種類があります。それぞれ特徴を見てみましょう。
バネ式のアナログタイプ
このタイプは、重さを精密に計量することはできませんが、何といっても電池要らずで気軽に計れるというのが魅力です。
値段も安めの傾向がありますがそこはピンキリです。
おしゃれなものはインテリアにも。
業務用では5kg、10kgなど重量物でも計れるものがデジタルより安価で手に入ります。よく見る、緑色のアレですね。ただし、物を載せたときに針が振れて安定するまで時間がかかるという欠点もあります。
5gくらいの誤差なら問題ない場合向けと言えます。
また、棚卸しの際などざっと重量を確認したいときには重宝します。
デジタルタイプ
こちらが今は主流です。
料理人がデジタルスケールを購入する際は、気をつけなければいけない点がいくつかあります。
おそらく「そんな視点があったんだ!」と気づきもあると思いますので、今自分が現場で働いている環境を想像して読んでみて下さい。
最大重量3kgはマスト条件
仕込みの際に、材料を足していく場合がありますが、3kg計れるとグッと利便性が増します。大きめボールを乗せてから計量する場合もあり、一度で済ませられるのは手間を大幅に減らせます。2kgだとボールの分の重さで限界を迎える場合が多くあります。
1kgは問題外です。しかし、思慮のない調理場では1kgはかりしかないという事例も多く見かけます。
その際は、面倒ですが小出しで計算しながら足していくしかありません。
白い製品は経年劣化が顕著に
これは必須ではありませんが、白い製品は避けた方が無難です。
表面がプラスチック製の製品が大半を占めます。油汚れがたまりやすく、またそれらが表面に固着して落ちにくくなります。特に白いプラスチックは経年劣化で黄ばんできます。
そうなってももちろん使用はできますが、そうした小物ひとつ見た目が汚れたものがあると、調理場がなんとなくくすんで見えるのが不思議なところ。
表面の形状がシンプルで、掃除しやすいものがおすすめです。
最小単位は0.1gもマスト条件
塩や砂糖など、1gと2gの間に大きな差がある調味料は注意が必要です。
同じ1gでも、1.0と1.9ではかなりの差があります。
「そんなところまで気にする必要はない」という意見ももちろんあると思いますが、塩分での1g内の振り幅は想像以上に味に大きく関わってきます。
また、自分ひとりで仕込みをするわけではない場合、画一的な計量ができるというのは働く人にとって大きな意味を持ちます。
製菓では0.1g単位で仕込みをするため、あった方が良い機能です。
ちなみに、0.1gまで刻めるのは300gまで、という縛りもキッチンスケールによってはあります。
自分の用途に合わせ、そこに性能を求める場合は注意が必要です。
電源ボタン、0表示ボタンの位置に注意
初めてキッチンスケールを使うであれば問題ないとは思いますが、それまで使っていたものが壊れて新しくした、1つでは足りなくなって買い足した・・・という場合は注意が必要です。
電源ONボタンと、0表示ボタンはかなり使用頻度が高く、感覚的に押すようになります。
それがスケールごとに位置が違うと、計るつもりが電源OFFだったり、電源入れるつもりが入らなかったり。
一度電源を切ると起動で「0000」が消えるのを待つ時間に苛立つことになります。
たかが数秒、と思うでしょうがそれが何度も連続するとかなりのストレスになります。
買い足すなら既存のものと同じスイッチレイアウトのものにします。
買い替えなら感覚が慣れるまで押し間違いをするのは覚悟しましょう。
あまり軽いものは落としやすい
2kgまで計れるスケールだと、だいたいプラスチック製のものが主流です。
コンパクトで計量な製品は収納しやすく使いやすいと思われがちですが、
毎日のせわしない仕事中には逆にアダにもなり得ます。
適度に質感があり、重さがあるということ、それだけで作業台から落とす事例が減ります。
落ちれば当然何らかのダメージは負いますし、運が悪ければ破損して使えなくなります。
私の経験上、一発アウトがフライヤーの中にドボンでした(笑)(;´Д`)
ではどのような商品を選べばよいかまとめてみましょう。
1、最大計量重量3kg
2、外装が金属製
3、最小計量重量0.1g
4、電源ON、0表示が慣れた位置
5、それなりに存在感のあるもの
以上を踏まえると、おすすめのキッチンスケールはこちら。
こちらは私が3年以上愛用しているデジタルクッキングスケールです。
天板はステンレス製、本体はABS樹脂ですがふき取りやすく、グレー色なので経年劣化による色あせはありません。
タニタはON、OFFは左側、0表示は右側が多い印象。ドリテックは右に多い印象です。
収納ケース付き。正直、ちょっと現場では必要ないかな。ただし、使わない時にスケールの上に物を乗せたり、立ててしまうようなことが散見される場合、故障の原因になるため必要です。
0~300gまでは0.1g刻み、301g~1,500gまでは0.5gの微量計量が可能です。
牛乳測定モードもあります。ミルクを多用する方には使い勝手のいい機能ですね。
こちらは最大計量2kgですが、クロームメッキ仕上げなので表面に油汚れが固着することがありまません。やはり金属製というのは掃除のしやすさで大きなメリットがあります。
クッキングスケールはドラテック製のものも多く見ますが、正直素材のせいなのか、汚れが付くと全然落ちない印象。私は手に取ることは減りました。
いかがだったでしょうか。クッキングスケールはそれほど安い買い物ではないだけに、信頼のあるものを選びたいところです。
自分が今使っているものが本当に使いやすいものなのかどうか。それを考えるだけでも今後の経験値となっていくはず。
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