さて、私の居住地域からではなかなか希望通りの物件は見つかりません・・・
それでも、居抜き物件の状態、種類などを実際に見て経験を積むという意味で内見を何度か申し込みました。
そのため、希望地域ではなかったものの、ネットや資料からではやはりわからないことがたくさん出てきます。
今回は、いくつか内見で得たことを書いていきます。
居抜き物件は基本的に設備はなくなっている
これは意外な点だったのですが、冷蔵庫などの厨房設備は撤去されている物件が多かったです。
水回りの配管などがのこったまま、という形ですね。
それはそれでいいかな、と思いました。
残されている冷蔵庫がいつのものなのかわからないし、長く稼働していないとコンプレッサーの故障なども心配です。
冷蔵冷凍庫があっても、確実に古い
冷蔵庫で1番気をつけなければならないタイプは、庫内に設置された鉄板に通電し凍らせ、庫内を冷やすタイプ。
まさに昭和初期の、氷を上に入れて冷蔵庫とするメカニズムです。
このタイプの冷蔵庫はまっっっったく冷えません。
仕事中に扉を開け閉めすると冷気はあっという間に逃げてしまいます。
冷蔵庫を選ぶ際は、冷気が庫上の吹き出し口から出て冷やすタイプ一択です。
食材が乾燥しやすくはなりますが、素早く冷気が周り庫内全体を冷やすため、食材の温度上昇を抑えることができます。
見た目綺麗になっていても、サンヨーなど今は存在しない社名のもの、庫内
温度計が液状のものなど、旧式としての特徴は見ればすぐわかります。
これがどう今後動いてくれるのか。造作代金がどのくらい償却の訴えを言えるのか・・・
なかなか難しいところです。
「グリーストラップ」は必須設備
必ず出る油汚れ。グリストラップは必須の設備であり、法律でも設置が義務付けられています。
グリーストラップとは、排水に含まれる残飯、油分を分離・収集し、配管へ流さないようにするための設備です。
一般的には、床下に設置され、ゴミをためるバスケットと、油を表面に浮かせる層に分かれています。
小規模飲食店や、空中階で床下に設置が困難な店舗用としてシンク下に設置できる簡易式のグリーストラップもあります。
(しかし、それはあくまで一時的なもので今後しっかりとした層タイプを設置しなくてはいけないらしいです)
この設備なしに、そのまま下水にでも流そうものなら、あっという間に配管に堆積し詰まってしまい、そうなると、家主や行政に対し賠償問題にもなってしまうので、お店の中でしっかり油を処理する必要があります。
以前に、グリストラップが詰まってしまった店舗にいたことがありますが、「水を流せない」というのはその時点でお店の営業を続行はできません。
どんどん下から水が上がってきて、床は油まみれ。
詰まった時点でク〇〇アンに依頼したのですが、なんかほっそい針金を排水管に通しただけで、「手に負えません」とか言って余計ひどくして帰っていきました(・・😉
今ならこうして笑い話として書けますが、当時は本当に危機的状況でした・・・
結局何とか営業を終え、翌日に別の業者が高圧洗浄車で配管を通しくれました。
13万くらいかかったと後で聞きました。
このことから、グリーストラップのこまめな清掃は重要だと身をもって痛感。
そして、意外にもこのグリーストラップが設置されていない物件がとても多い。
「排水中の油汚れ、どうしているの??」と不思議で仕方がありません。
排気も、どこも結構ヤバめ
居酒屋という業態は不動産では「重飲食」というカテゴリーに入ります。
そのため、前項のグリーストラップ、そしてしっかりとした排気設備も必要です。
揚げ物や炒め物、焼き物で出る燃焼ガスを確実に店外へ排気させなければなりません。
排気をすると店内の空気が強制的に外へ出されるため、「給気」も考える必要があります。
設備業者側からすると「給気のために排気をする」という考え方なのだそうです。それはさておき、
この排気と給気のバランスが取れていないと、常にドアや窓などから「ピュー」という風切り音が聞こえる不快な状態となります。
ドアがとても重かったり、ドア付近にやたらと埃が溜まったり、排水管からも空気を吸い込んで下水の臭いがしてくるなんていうことも。
でも、ほとんどの物件でついていたのは「台所の換気扇」。
「これ、今まで大丈夫だったの!?」と声を出してしまうほど。
当然排気能力なんて足りていないから、室内全体から酸化した油の臭いが充満していました。
こういう物件は給排気の工事も視野に入れなければならないので、注意しましょう。
立地や家賃なんかは結構相場に即した価格が多いですね。
なるべく初期投資を抑えたいという思惑もあるのですが、こうした長期に運営していく上でどうしても必要になる工事は、今から悩みどころです。
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