個人事業についての知識は、本やネットである程度は手に入ります。
しかし、実際開業した人の生きた経験談というのは、なかなか巡り会えるものではありません。
ましてや、自分と同じようなコンセプトのお店を経営されている方のお話というのは、非常に貴重なアドバイスとなり得ます。
それは、説明するまでもありませんね。
今回、都内のある飲食店のオーナーの方の話を伺うことができました。
個人事業主として飲食店を開業し、約2年経過した方です。
大企業の執行役員まで務めた幹部の方ですが、気さくで優しく、私のような下っ端でも話しやすい雰囲気をお持ちの方です。
仮に、岡田さんとしましょう。
コロナ禍で営業自粛されており、閉店しているお店を間借りさせていただき、お話を聞く事ができました。
お話は本当に多岐に渡り、何も知らない私にたくさんのことを教えていただきました。
岡田さんの話は大きく分けて、5つの構成でした。
コンセプトははっきりしているか
まさにどういうお店にしていくか、という根幹の部分です。
ここがブレると、お店としての在り方が大きく揺らいでしまうので、しっかりと明文化します。
ただ、決めたら絶対変えないというのもまた違う話です。
今後メニューや内装などを構成していく中で、多少いじらなければいけなくなることもあります。
最終的にお店のすべての構成が出来た段階では、キチンと定まっている必要があります。
ターゲットとしてどういう客層に焦点を置いているか
ターゲットとは、性別や年齢層、職種など割とざっくりした顧客層のことで、ここよりさらに深掘った「ペルソナ」を意識する必要があります。
例えば私の考えるペルソナは、
「45歳男性。幹部社員で比較的裕福な暮らしだが、帰宅途中の飲み屋は落ち着いた普通の居酒屋がいい。と言ってもチェーンは避けたい。
幹部社員といえども飲みに使えるお金はそれほど多く無く、週8000円くらい。たまには家族にお土産でも買って帰りたいと思っている。」
というように、具体的な個人の人物像を思い描きます。
では、
こんなおじさんはどんなことを望んでいるのか。
お店として訴求するにはどのようなアプローチで攻めるか。
どんな接客態度、お出迎え、お見送りが喜ばれるか。
など、こちらのアクションも具体的に詰めていきます。
具体的な売り上げ高を構築できているか
飲食店は「客数×客単価」で売り上げが構成されます。
さらに、実際の席の埋まり具合「満席率」に、
席が何回入れ替わるかの「回転率」を考慮すると、さらに具体的な売り上げ予測が立ちます。
昨今はコロナ禍でテイクアウト、デリバリー需要が高いので、その売り上げもかなりの割合を占めるでしょう。
自分の開きたいお店の規模や席数は大体イメージできるでしょうから、実際にこの数字を当てはめて計算します。
すると、月の売り上げ予測が立つので、そこからいろいろな計算をすることができます。
ここが見えるだけでもグッと開業が現実味を帯びてきます。
家族の理解は得られているか
開業は自分の財産でできれば良いでしょうが、個人事業者として始める人はごくわずかでしょう。
ご家族の協力を得て、専従者として働いてもらうためにも、同じ意識で開業にとりかかりたいもの。
例えば配偶者を例に取ると、
接客経験はあるか。調理はできるのか。経理等、数字の仕事はできそうか。
など、自分1人ではできない部分をシェアできるか、少しずつでもいいので話を重ねてみましょう。
物件の探し方
ここでアドバイスをいただいたのは、「実際に物件を、なるべく多くみに行くこと」でした。
当然物件ごとにありとあらゆるものが違ってくるので、内覧をするごとに見る目が養われていくと言います。
居抜き物件の注意点として、グリストラップのような排水設備がきちんとしているか、排気設備が問題ないかなど、故障すると厄介な部分や、異常があると後々賠償請求などの恐れがある設備には特に注意しましょう。
あとは、細かい営業ツールについての話だったので、こちらは追って書いていきます。
本当にキリがなくなってくるので…
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