こんにちは!悠々気ままにこと、居酒屋料理人 悠気です!
「今日は刺身を食べたい」と意気揚々とスーパーに行ったものの、「どれが1番美味しいのだろう・・・」と迷ったこと、ありますよね。
売り場に並んでいるわけですから、どれも鮮度は問題ないはず。
どうせ買うなら売っているものの中で1番良いものを選びたいですよね。
この記事では、目に見えない魚の鮮度のイメージを掴むことができます!
日頃、仕入れで魚の良し悪しを選びながら購入しています。
良いものを手に入れられることもあれば、正直ハズレを引くことも。
それも大事な経験値ですが、仕入れロスとしては痛いですけどね。
魚の鮮度を掴むイメージとしては、以下の点です。
まずは概念を理解する
まずは、鮮度についての大きな、大きな外枠から考えていきましょう。
「新鮮」「熟成」「腐っている」という言葉は聞き慣れていると思いますが、魚においては正直、新鮮かそうでないか、という2分化した考え方が大半ではないでしょうか。
豚肉や牛肉とは違い、魚はずっと傷みやすいのはなぜでしょうか。
1、魚は海中に住んでいるので、水分が多く、肉質がとても柔らかい。
刺身で食べても口の中で柔らかくほどける食感。しかし、表裏一体、それが故に鮮度が落ちやすいんですね。
2、自己消化酵素の作用が大きい
生き物は死後、「死後硬直」という状態になりますが、この段階から少しずつ細胞の酵素により分解が進みます。
魚は筋肉量が動物に比べ少ないのと、水分が多いので死後硬直が早く起き、早く解けます。外気温の影響も受けやすく、酵素自体も筋肉に回りやすいため、時間の経過による変化が大きいのが特徴です。
3、内臓、エラがついているため、そこから腐敗しやすい
内臓はもちろん、エラも血が多く集まり、海水に直に触れている部分なので雑菌が多く、すぐ変質します。
ここまでが、魚の鮮度に関わる理屈の部分。
鮮度を劣化させているものの正体
では、「漁獲後」から「腐敗」に至るまでにどのような経過を辿るのか。
ここを「イメージ」できるようになれば、スーパーの魚の状態もなんとなくわかるようになります。
手書きで申し訳ないのですが笑、このグラフをご覧下さい。
魚の鮮度低下の推移をイメージとしてグラフにしてあります。
魚は漁獲され、魚屋に並び、消費者に購入されます。
流通が発達し、輸送技術も高く常に一定の効率でなされている現代では、「魚屋に到着する段階」での差異はそれほどありません。
魚屋に搬入される時点で傷んでいたりすれば、魚屋が卸元にクレームを言いますからね。
問題は、いつからその魚屋に置いてあるのかと言うこと。
陳列されながら徐々に徐々に品質が落ちているのです。
第2のグラフに赤字で書き足した「目利きが必要」というところが重要な部分です。
魚の鮮度の見分け方
鮮度が落ちやすいということは、鮮度の見分け方も意外とわかりやすかったりします。
顔を見る
人間誰しも、1番目が行くのは「顔」ですよね。
そこから多くの情報を得られます。
「目が白く濁っておらず、透き通った黒目であること」です。
魚体を見る
魚は新鮮なほど、魚種特有の色合いがはっきりします。ウロコの着き具合も大きく関係する部分で、鮮度低下に伴い、魚体全体が退色してきます。
触ってみる
もしも可能であれば、実際に触れてみましょう。
エラはエラ蓋を捲らなければ見えないので、ここは必ずチェック。
頭を持った時、体がだらんと下がってしまうものは死後硬直が解けてから時間が経ってしまっています。
(※魚に触れる場合はお店の人に一声かけましょう。大事な売り物なので、丁寧に扱います。)
もちろん状況により違いますが、1番肝心なところは、なだらかな曲線の「見た目ではそれほどわからないゾーン」です。
意外に鮮度が良さそうでも、内臓に消化不良のものが詰まっていて異臭を放っていたり、身が異様に柔らかい、など魚は非常に難しい。
「仕入れし捌いて冷蔵保管」の点が、右に行けば行くほど、鮮度低下は早くなります。
できるだけ魚屋で新鮮なものを買うことが前提なのはそういう理由です。
スーパーなど一般消費向けのお店では、提供する側の「責任」があるので全ていいものと思われがちですが、そうは言っても鮮魚生物は一定した品質というのはなかなか難しい。
プロ向けの鮮魚店はほぼ完全に、選ぶ側の自己責任です。
自分で考えて、自分で選んでいくことで目が養われて行きます。
他責な考えだけではいい結果は生みません。
あくまでポジティブなスタンスで、魚を選んでいきましょう!
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