こんにちは、悠々気ままに!居酒屋料理人、悠気です。
基本的に個人事業を始めるとなると、自分ひとり、家族に手伝ってもらう、など最低限の人員で組み立てていくことになります。
とはいえ、家族もずっと店に居られる訳ではないので、場合によってはアルバイトの雇用も視野に入れていく必要があります。それは置いておき、
ひとまず家族を従業員として雇い給与を払う場合、どういう話になっていくかを解説します。
個人事業の本を数冊読みましたが、どの本も「家族の給与を経費にできる」「〇〇という書類を提出する」とだけしか書かれていません。
そんなちょっと調べればわかることではなく、それによってどんな効果があるのかを具体的に知りたい、というのが個人事業主の現実なはず。
セミナーで聞いたことも含め、それをまとめました。
白色申告と青色申告
No.2070 青色申告制度|国税庁 (nta.go.jp)
全ての事業者に義務とされている帳簿の記帳(簿記)。
個人事業主では、作業の簡単な「単式簿記」と記帳がやや複雑な「複式簿記」の2種類を選びます。
それぞれ、確定申告の際は単式簿記→「白色申告」複式簿記→「青色申告」という区分で扱われます。
記帳が大変な分、控除額が大きく税制的にメリットのある「青色申告」をここでは前提とします。
家族は「青色専従者」として雇用する
簡単に言うと、同居している家族に事業を手伝ってもらい給料を支払う…となると、普通のパートアルバイトという立ち位置ではなく、「事業の専従者」という形になります。(「専(もっぱ)ら従事している家族」の意)
この記事では、わかりやすくするために、「妻(配偶者)」に専従者になってもらうというスタンスで進めていきます。
その際、事業主が妻に支払う給与は全額経費にすることができます。売り上げから経費を差し引いた金額(=所得)に税金がかかってくるため、経費が多くなれば税金の元となる所得を減らすことができます。
もしも白色申告だと、家族に支払う給与であっても課税対象となり、翌年の収益が大きく減ってしまいます。
個人事業の開業の届け出を済ませている前提とし、「青色専従者」を適用するには、以下のような決まりがあります。
- 事業主と生計を一にする配偶者、またはそのほかの親族
- その年の12月31日現在で年齢が15歳である
- 事業主が青色申告を選択している(国税庁ホームページはこちら)
- 青色専従者給与に関する届出書を税務署に提出している(国税庁ホームページはこちら)
- その年の中で6ヶ月を超える期間(または事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その事業に従事していること
簡単に言えば、しっかり届け出を出して、営業している日の半分以上は店にいて、15歳以上じゃないとダメだよ、ということですね。
税務法令的に、青色専従者に支払う給与の上限は定められていませんが、同じ業務に従事する人と比較し、妥当かどうか税務署によって調査されます。
不当に高い給与だと、「税逃れ」という疑いをかけられてしまうからです。
そのため、一般的には「所得税がかからないギリギリのライン」である年収103万円に収める事業者が多いようです。
そこに対して所得税や住民税、国保年金などがかかってくると結果的に減収となるので、103万円を12で割った月収85,000円が結果的に妥当なラインと言えそうです。
基本的に配偶者に支払う給与となれば、同じ生計に入ってくるお金となるので、ある意味お店の利益の一部と考えられますが、子供に仕事を手伝ってもらい給与を払うと事業主には返ってこないでしょう笑
ちなみに、妻に青色専従者として働いてもらうと、年に支払う給与が規定内(いわゆる103万円)でも扶養控除が受けられなくなります。
青色専従者給与による経費計上か、配偶者控除かについて
これは結論から言えば、青色専従者給与での税制の方が大きくメリットがあります。
仮に、夫がサラリーマンで会社員として一家の生計を担い、妻がパート勤務で収入を得ているとします。妻がパート収入1年トータルで100万円だった場合・・・
夫の給与のうち、税金がかかる金額に38万円が差し引かれ、残った額に所得税がかかります。
これを配偶者控除と言います。
ここで個人事業を始めて、妻を専従者とした場合、今まで配偶者控除では38万円までしか差し引けなかったのに対し、給与をそのまま控除額にすることができることとなります。
経費なので控除とは違いますが、「課税される所得額を減らす」という考え方に絞れば間違いではありません。
前項目で出た妻への給与を103万円に収めれば、給与は全額控除(と考えるとここではわかりやすいかも)だし、103万円を(経理上)受け取った妻には所得税もつかない、ということです。
コメント