料理が好きだから、料理を仕事にしたい!
寿司職人になりたい!パティシエになりたい!
そんな若い方、実際のところ、今後の飲食という仕事に不安を感じているのではないでしょうか。
そもそも、「料理をするかしないか」
意外と、この話題って二元論に振る傾向にあるなぁと思います。
やらない人は本当に全くやらない・・・でも、そのことに善悪を付ける意味は全くありませんし、考える必要もありません。
私はバイクが趣味ですが、整備は全くやりませんし、できません。しかし、バイクを乗っていく為には、整備が必須。
そこはプロに任せて、快適なバイクライフを送れています。
食べることも、自分が苦手だと思うのならば敢えて無理してやる必要は全くない。そう思います。
では、私が料理をするきっかけをお話すると、若いころの居酒屋でのアルバイトでした。
そこで料理をしていくのがとても楽しく、やりがいのある仕事でした。
そこに尽きる、と思います。
やりたいことを仕事にするってなかなか難しいかもしれません。
そもそもやりたいことが見つからないっていう若者もたくさんいます。ただ、やりたいことがわからないっていう人は、何も行動していないことが多い。そうして、若いころの貴重な時間を消費していってしまっている。
「やりたいことを見つける」という目標を立てていろんなことにチャレンジするとか、何か人生の指標を立てるための行動は、そういう人にこそ大事なのではないか、と思いますが、
おじさんの説教にしか聞こえないようで、最近はあまり口に出すこともしなくなりました。
余談はさておき、
料理は人が食べるものを作り、お客様に提供します。そして、その対価をいただき、我々の給料が生まれる。
ここに、「好き」だけでは到底務まらない「責任」が生まれます。
趣味や自宅のゴハンとは違い、お金をいただくというのは「プロフェッショナルでなければいけない」のです。
お客様が喜んでくれるものを作る、というのはいろんな要素が絡む、本当に複雑な仕事です。
知識、経験、人間性、味覚、技術、知恵、その人すべてがその一皿に乗ると言っても過言ではありません。
今の時代、仕事が未熟なことに対し、厳しく指導するということが「パワハラ」という言葉でくくられ、
教わる側が不快に思うことはすべて悪という風潮です。
「昔はこうだった」とか「こんな苦労した」とかという話は、確かにオジサンのつまらない昔話ではありますが、
事実としてそうやって技術は継承されてきたという側面があります。
何かひとつの事柄に対し、自分の価値観に合うか合わないか。
その二元論で、物事の持つ違う側面を見ることなく、「自分に楽な方だけ」に進んでいることに、時に気づかなくてはいけません。
それはすなわち、自分の向上に直結します。
誰もが知る偉大なイチロー選手、こう話しています。
「厳しく指導することができなくなっている現代において、いかに自分で自分に厳しくできるが大事」
私の若いころは現代のパワハラを超越した厳しさが当たり前だったので、ある意味やらざるを得ない、やるっきゃない状況でした。
嫌なら、付いていけないのなら辞めろよ。そんな毎日です。
私は毎日あまりにも怒られていたので、先輩は私が辞めるかどうか賭けていたそうです(笑)
今の若い人は、「個」が重視されるが故、若いころからすでに「自分」次第で自分の人生が決まる、
そう考えると私の若いころより遙かに難しい人生かもしれません。
忍耐力や精神力は若いころにしか鍛えることができません。
仕事ができるようになりたかったらひたすら練習する。常に勉強する。先輩の仕事をじっくり見る。常にアンテナを張る。できるようになったら、怒られなくなるんです。単純なこと。
誰かが自分を厳しく律してくれるわけでもなく、
誰かが自分の間違った考えを正してくれるわけでもなく、
優しく教えて承認してくれる人だけの人生は、おそらくその人の忍耐力、精神力を鍛える機会を一生失う、最も残酷な指導方法です。
正直、私はそれなりにビギナーにも悪いことは悪いと言います。
理不尽に思うかもしれません。「あなただって」と言われたこともあります。「あなたみたいな上司にはなりたくない」とも言われたこともあります。
上からの高圧的な態度なのかもしれません。
分かり合えない人の方が多いのもよくわかっています。
ただ、私から言わせれば
「口ごたえするんなら仕事キッチリやってみせろ。」
これに尽きます。
仕事に不備があるから怒られるんです。
怒られて、なにがいけなかったのか、それを考える前に怒った側のこれまでの行動を指摘するヒマがあったら、
仕事で結果を出して見せろよ。
「こんなブログを書く人の下で働きたくない」
はい。わかります。
教えるときは、私の感情や私の機嫌、そんなことで判断していません。
厳しい言われ方をされると萎縮し、本人の実力の何割かしか出せなくなってしまうことも重々理解しています。
その上で最終目標はもちろん、料理を好きになってもらうこと。
ただし、お客様にお金をいただくには、入ったばかりであろうと「プロフェッショナルである」という気構えは最低限持たなくてはならない。
それがない料理人の料理、あなたは食べたいと思いますか?
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