料理という世界に限らず、専門職においては、最初に技術を習得する大事な時間があります。
その間は何もできず、何もわからず右往左往の毎日。
職場でも先輩や上司に厳しく怒られることも多いでしょう。
そういった「黎明期の毎日のストレス」は相当なもの。
個人料理店で8年間下働きの厳しい日々を送った私が、自らの経験を踏まえ、どう考えて毎日の仕事に向き合うべきかまとめてみました。
結論から言うと、
今の仕事を「なんとなく」「他にやることがなくて」という軸のない意思で続けていて辛い日々なのだったら、辞めてしまいましょう。
それが、自分はもちろん周り人にとっても、幸せです。
この、「辞めたければ辞めればいい」というのは暴論、極論に聞こえがちですが、至って普通のことです。
※ただ、一社会人として辞め方はきちんとしましょう。当日バックれとか論外。あなたの人生はただ嫌なことから逃げるだけの日々に堕ちてしまいます。
さて、次からが根幹の部分。
今やっている仕事があなたにとって人生でどんな意味を持っているのか。
つまり人生の目標だとか、夢だとか、一人前になりたいとか、強い意志を持って働いているかどうかです。
「自分はこの仕事しかない、これで身を立てていくしかない」「そして一人前になりたい」という強い意志がないと、ちょっとしたことでも「他人のせい」にします。
人間は誰しも、そんなに強くありません。楽な方、楽な方へ行きたがるものです。
それが自然なことです。
では、今の仕事に強い意志を持って取り組んでいるあなたへ。
うまくできない毎日と怒られる、無視されるストレス。わかります。本当にすごくわかります。
ただ、あなたに寄り添えるのは努力を続ける毎日のあなたのみ。
落ち込んでぼーっとしていたり、誰かのせいにしている暇があったら、
その日の仕事で知らない食材を見かけたら仕事の後に調べてみる。
仕事が終わったら残って自分で買ってきた魚を捌いて練習してみる。
ミスしてしまったのならノートに書き出して反省点をおさらいしてみる。
自分で買ってきた大根で桂剥きをしてみる。玉子焼きを焼いてみる。
そのコツコツとした積み重ねはやがてあなただけの財産になります。
そう信じて、やっていくことこそが一番の近道です。
「仕事の後の練習って、残業ですよね?手当とか出ないんですか??」
もしそう考える方がいたら辞めてしまいましょう。それが最善です。自己研鑽をお金のためにやるならこんな無意味なことはありません。
何より、上司や先輩はあなたにそういった自己研鑽を強制できない世の中になってしまいました。それを言うと「無賃残業をさせている」と捉えられかねないからです。
だからこそ自分自身で取り組まなくてはならない。自分で自分に厳しくなければならない。
どんなにあなたの人間性が良くて、人当たりが良くても仕事の世界は仕事ができてナンボ。
悔しかったら仕事で見返すしかないんです
きちんとできるようになってくると、自ずと周りのあなたへの態度も変わってきます。
逆にわりとそつなく仕事をこなす人へ
なんでも器用にこなす万能タイプ。
そんな人は少なからず、いるんですよね。本当にすごいと思う。
一度見たりやったりしただけで、私が長い間かけて研鑽してきたことをあっけなくやり遂げてしまう。
まぁ、そんな人はこんな記事は読まないと思いますが、そういう人の生まれ持った才能に打ちのめされること、あります。そんな時にどう向き合うか。
でも、40歳を過ぎて思うことは、そう言う人も必ずしも万能ではないってことです。
若い頃に器用になんでもこなしてしまうと、粘り強く取り組むという習慣がなくちょっとした困難に立ち向かうことができません。
そして、できない人を下に見る人間性となります。
そういった人を何人も見てきました。
ただそう言う万能タイプの方でも、「自分は器用貧乏だからさらに深いところまで考えなければいけない」という、非の打ち所がない人もいます(笑)
それは置いておいて、どんな人でも何かを身につけるのには時間と努力と精神力が不可欠です。
ありきたりな内容かもしれませんが意外と誰も教えてくれなかったりするんですよね。
ただ、もう一つ言えることは、
上の立場になってからがもっと大変だと言うこと
ある程度仕事が身につき、色々判断ができるようになると、「責任者」という立場に必ずなります。
というか、逆に言うと年齢が行っているのにも関わらず責任のある立場でない人は永遠に搾取される側になります。
これはかなり暴論で批判もあると思います。
自らの仕事に責任感を持ち、若い人や部下さんのことを見てお店の全体の向上に尽力することが必要です。
自分の研鑽のことだけ考えていればよかった時期とはまるで重責が違います。
そうなると、いかに黎明期に粘り強く頑張ってきたか、いろんな場面でその真価が問われます。
逃げ出す前に、もうちょっとだけよく考えてみませんか。
あなたの人生です。目先のことも大切ですが、今後の人生はもっと長い。
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