料理人はすべて料理を感覚ですべきか

私は下積み時代、よく「感覚でやれ」と言われました。

定量で調味料を入れていくいわゆる「割り」は禁止でした。

この感覚だけで料理をやっていくことのメリット、デメリットを考察しました。

料理は作業ではなく、何かを生み出す創作である

人の口に入るものである以上、どんな料理でも細心の注意を払い、心を込めなければならない。

そう言った考え方から、自分のこれまでの経験を総動員し、自分の感覚で最高のものを作る。

根本的な考え方として、教わってきたことは本当に大切だと理解しています。

材料の質や大きさ。季節、気温、体調など同じ料理を作るにしても、同じ状態はまずありません。

それを毎回同じものに近づけるために、微妙に感覚で調整して仕上げていく。

それが「感覚でやれ」という部分の土台ですね。

まずそこはしっかりと頭に入れて、料理を毎日創作していくという考え方を持つことが大事です。

では「割り」は料理としてダメなのか

ここがポイントです。

「割り」も非常に料理をしていく上で、重要な考え方です。

調味料は時期や季節でそれほど大きく味が変わらない

つまり、「割り」で合わせた調味料はいつも同じ味だという事。

大幅な味の変化を感じたら、自分の体調を疑うか、出汁の手順、出汁の材料の質など、どこに問題があるかを素早く特定することができます。

大幅な時短ができる

ある程度の「割り」で合わせた調味料を使い、そのあと微調整していくことで調味の時間を短縮できます。

もちろん合わせて加えてそのまんまはNG。

調味料を節約できる

材料の量に合わせて感覚で料理すれば、その量にあっただけのものを使うだけと思われがちですが、味の修正が加わるとかえって無駄になります。

もちろん熟練した人であれば修正はないに等しいのですが、「加えるだけの料理」は意外と味に幅が出ません。※このことはいずれ記事にします

以上の点を踏まえると、

「割り」でだいたいの大枠を掴みつつ、「感覚で仕上げる」

というすみわけをしっかりすれば、自分の中に軸ができてくると思います。

ただ、ひとつのやり方をずっと思考停止で続けていくのでなく、いろいろ試して自分なりに哲学を構築していくのもまた料理の楽しみです。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました