手作りか出来合いを使うか

料理

こんにちは。

料理をしていると、様々なメーカーの、ありとあらゆるソース、たれ、だし、調味料を目にしますね。

また、温めるだけ、溶かすだけの様々な商品があり、調理のハードルをぐっと下げてくれています。

料理人として、そういった「出来ているもの=出来合い商品」にどうやって向き合っていくか。初心者の時期は特にその迷いや疑問が大きいのではないでしょうか。

高級料亭にいるような至高の料理人ではない私にとっては、そういった商品も使う選択肢として考える必要があります。

お店独自のこだわりを手作りでアピールしているお店は多く、小規模の運営ほどその傾向が見られます。

自分としても、やはり手作りでの料理を多く作っていきたいとも思っていますが、手作りだけが善。という価値観は正直持っていません。

とはいっても、「開けるだけのレトルト」とか、「混ぜるだけ」みたいな料理にお客様が価値を感じてくださるかといえば、決してそうではないはず。

商品価値を下げずにどこをどこまで、という判断が重要になってきます。

特にワンオペレーションとなると、手は2本しかなく1人の作業量など、たかが知れています。調理手順を含めた、お客様を待たせないメニュー構成が重要になります。

飲食店はチェーン展開されると、それぞれ場所は違っても同じ看板として統一された商品を出す必要があります。それに振りすぎると、手作りの割合はどんどん減っていきます。

業態によりますが、お客さまが払う対価は、そういった「手作りへの期待感」も含まれます。あまり視点は話に上りませんが、提供する料理を考える上で非常に重要な要素です。

少し前置きが長くなりましたが、個人料理店、チェーン居酒屋を見てきた見地から、それぞれのメリットデメリットを考えてみます。

「手作り」のメリット

オリジナリティーを出せる

これは簡単にイメージできると思いますが、一般的に知られた料理でも、手作りによる付加価値は大きいものです。

それにちょっとひと工夫・・・を加えることで、その店独自のものが生み出せます。

味に深みを出せる

非常に観念的な部分ですが、味には様々な要素が絡み合います。手作りでは基本的な調理の工程を踏んで作り上げていくので、いわゆる「きちんとした味」に仕上がっていきます。

お客様が価値を感じることができる

冒頭でもお話しましたが、お客さまは料理を美味しいと評価されると、たまに作り方やどんな調味料なのかを質問される方もいらっしゃいます。

そこに価値を感じるからであり、きちんと説明するとお客さまも味の想像が膨らみ、さらに今食べている料理を美味しく感じることができます。

そういった質問に対し、自信を持って応えることができるのがやはり手作りである、ということ。

必要な分を必要なだけ作ることができる

若干の経験値が必要ですが、使い切れるだけの量を買って来ることができれば、必要な分だけ作ることができます。出来上がった料理に対し、作りすぎたり余らせることを防ぐことができます。

どんな状況でも、柔軟に対応できる

「味を薄めに」「もうちょっと辛めに」など、お客さまの嗜好に合わせて味付けを微調整できます。

出来合いの商品に手を加えることは多々あることですが、自分の目標としない味付けにするのは結構難しい。

特に味を薄めや濃い目って味がぼけやすく、そのお客さまにとってはいいのかもしれませんが自分が美味しく感じないという事が多いですね。

試行錯誤でレベルアップでき、勉強にもなり、経験値が上がる

ある一定の水準になるまでには、必然的に試行錯誤を繰り返します。時には作りすぎたり、足りなかったり。そうして誤差などを減らしていくのですが、その過程で感覚的にいろいろな発見があります。レベルアップ、勉強、経験値。それぞれ同じような意味を含みますが、言葉としては全く違うと考えています。こういった話はまた後日。

「手作り」でのデメリットとは?

メリットで挙げた要素を見ると、デメリットなどなさそうな印象ですが、実際に仕事をしていると感じる部分はたくさんあります。では、考えていきましょう。

時間がかかる

1日は24時間。午前は12時間。ランチはだいたい11:0014:003時間。夜はだいたい19:0023:00。まぁ、これはあくまで例ですが、何が言いたいかと言うと、「時間は非常に限られたリソースである」ということ。

ワンオペレーションなど、人手も限られている場合、いかに効率的に仕事を回すかが大切です。

手作りにこだわるあまり、一つの料理に時間をかけすぎてお客さまに迷惑がかかってしまうようでは本末転倒ですし、店主となれば料理を作っていればいいとうわけではありません。

時間と、手間と、完成度と。そのバランスを取っていくことの判断は「妥協」という側面ももちろん出てきます。その妥協を絶対に許さない。そんな考え方は素晴らしいことですが、ただ感情的な動機で動くのではなく、お店の柱として定めたコンセプトに沿って考え、バランスを取っていく必要があります。

費用対効果が薄い場合がある=かえって費用が掛かる場合がある

「手作りで原価を抑える」という事例はかなりありますが、こだわりが強くなるにつれて「あれもこれも」となり、仕入れがかさんでくる傾向があります。

調味料在庫が増えて使いきれないものが出て来る

これは上記、費用対効果に重なる要素ではありますが、別問題として大きいので項目を分けました。

みなさまも、冷蔵庫に眠っている使っていない調味料、ありませんか?特に和食の私のとって中華系の調味料はどうしてもあまりがち。

これがなかなか厄介なシロモノで、「調味料を使い切りたいがためにメニューを考える」という場面も出てきます。

私は正直これは良くないと思っていて、料理と調味料はセットでバランスよく消費していくことが理想です。

仕入の時も、内容量をよく熟考し、いくら割安だとしても過剰なまとめ買いは絶対にしないようにしています。

出来合いのメリットとは

これは「手作りのデメリット」と相反する部分なので、そのまま利点となりえます。

時短になる、費用対効果が良い場合がある、最小限の調味料在庫で対応できる、といった点以外にはなにがあるでしょうか?

味が一定している

製造元が改変などをしない限り、お客さまに常に一定の味の料理を提供できます。

スタッフが調理に不慣れな場合、これは大きな効力を発揮します。

とっかかりとして新しい分野の料理に取り組める

いきなり商品としてお客さまに提供する前に、未知の分野の味を知る大きなきっかけになります。

と書くとちょっと堅苦しいですが、要は「これ食べてみよう」が簡単にできるのがいいところ。

自分が気に入ればそこから調べて見たりして、具現化することもできるわけです。

例えばベトナム料理をやりたくて、そこからベトナム由来の調味料を1から揃えて・・・となると気が遠くなりますよね笑

あらかじめできているものでしか、扱えないメニューがある

例えば「梅水晶」「カツオ酒盗」など、メニューとしてはよく聞くものでも、加工品を提供している場合がほとんどです。

「いや、そういうものと出来合いの調味料とかと一緒にするのはおかしい」という声も聞こえてきそうですが、

個人的には大差ないと思っています。極端な話、豆腐だって一応自作はできるわけです。

要は、加工されたものをどう提供するのか。どう付加価値をつけてお客さまに満足していただけるようにするのか、

思考停止しないでそこを考え続けられるかどうかって話なのです。

出来合いのデメリット

ここはつまり手作りのメリットの部分に直結する項目ですね。

オリジナリティーがなくなる、味が浅くなる、お客さまに価値を提供しづらくなる、決まったロットでしか作れない、柔軟に対応するのがタイヘンなど、やはり項目が多いことに気づきます。

その他に感じることとして・・・

楽な方、楽な方に流れていく

これは自戒として書きますが、本当に楽なんですよね。出来合いって使い方によっては・・・

しっかり自分自身を客観的に見て、判断を続けていかなければいけません。

管理職だったころは、会社のメニュー開発で各食品メーカーのプレゼンに参加することが多かったのを覚えています。

そこで感じたのは、そのメーカーもこだわって必死になって作り、売り込んでいること。

だからといって積極的に使いたい、というわけではなく、必ず使い方によってはメリットもあるということ。

文中でも述べましたが、思考停止することなく、上手につきあっていくことがお店の向上にもつながると信じています。

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