開業費を準備段階で具体的に試算してみる「物件取得費編」

独立開業へのステップ

飲食店を始めるにあたって初期費用ってどのくらいかかるんだろう?

まだ未経験者の自分にとってもこれは、具体的な進捗となるまでは全くわからない部分でした。

今は融資が決まり、あとは物件を契約するのみ。

内装の着工に向けて最終段階の詰めに至った今までの経緯を遡ってみます。

ただ、これはあくまで試算。実際にお店が出来上がって行くにつれて、どのくらいズレが生じるかも、このブログで書いていくつもりです。

ひとまず、試算の話をしましょう。

事業計画にもかかわる部分、この記事では、最初に大きな要素となる「物件取得費」にフォーカスします。

まずは本から

飲食店を開業する内容が書かれた本は、たくさん売っています。開業を考えた多くの方は本から学ぼうとされたはず。

私のブログでも過去に紹介しているのでご興味ある方はご覧ください。

【居酒屋料理人が紹介】個人事業開業に関する書籍
新しい取り組みをする場合、本からの情報収集も選択肢の1つ。どの分野でも言えることではありますが、個人事業関連の書籍は非常にたくさん出版されています。その中でも、私が実際に書店で選んで買ったものをご紹介致します。

では、まずは本に書かれた内容で考えてみます。

とはいえ、あまりにも概算ですし、細かい部分は全く書かれていないのが悩ましいですよね。

「これでは現実的な金額はなにもわからない」と思うはずです。

しかし、最初のとっかかりとして、どんな費用がかかるのかを理解するのが大事。最初から詳細を求めるとあまりにわからなすぎて挫折します。

書店で売られているものはそういったものだと割り切ってしまいましょう。

自分の理想とする物件に即した取得費を考えていく

たとえば「20坪、駅から徒歩10分、路面店」とざっくりイメージを定めます。

居抜き物件サイトなどで希望地域の空きテナントを片っ端から調べます。すると大体の家賃、敷金礼金保証金などがわかります。

敷礼金保証金あたりはもちろん物件によって様々ですが、念のため一番かかっている物件を参考に。

本で書かれている内容はほぼここまでですが、もっと考える必要があります。

管理費共益費など、家賃以外に毎月かかる費用もチェック。駐車場を借りるなら駐車場代も考慮に入れる必要があります。

駐車場を借りる際は普通の物件と同じように敷金礼金保証金も初期費用でかかります。

電気代は毎月定額で家主に払う、というシステムのところもありました。

また、家賃が「税込なのか」も必ず確かめます。

金額が多いだけに消費税が上乗せされると数万円単位で変わってきます。

家賃が引き落としなら口座振替手数料もかかります。500円近くかかることも。

火災保険は任意の会社だったり、大家さん指定の会社だったり様々ですが、私はUSENの店舗保険を検討しています。

立地にこだわるなら数年かけて準備を

さて、試算するときに必ず行き当たる「家賃」ですが、それは立地に大きく左右されます。

再度言いますが、大切なのは、希望地域の家賃分布をなるべく調べること。そして、最初の物件取得費がどのような設定なのか傾向を掴んでおくこと。

「飲食店は立地が命」という文言をよく目にしますが、正直良い立地の物件はそうそうありません。

あくまで物件にこだわるのであれば、数年単位で準備する必要があります。

生産されている商品とは違って、「空かなければ物件が出てこない」からです。

いつ空くかもわからない店舗物件を気長に待ち続ける…というのは正直現実的ではない気もするものの、

ここで見切り発車で仕事を辞めてしまうと、「今ある空きテナントのどれかを選ぶ」しかなくなってしまいます。

このブログを読んでくださっている方は、「今開業したい!」という気持ちだとは思いますが、現実はやはり甘くないです。

なかなかこのことを教えてくれる人っていないんですよね…

今になって思いますが、飲食店を開業するのは思い付きではなかなか難しいんです。

どんなときも100%納得いく物件はありませんし、妥協ポイントを見つけられないと時間はどんどん過ぎ去ってしまう。

たくさん物件があるような主要な市であればある程度物件はありますが、ちょっと郊外に出るとグッと減ります。

ただ、長く範囲外も含めていろいろ物件を見ていると、妥協ポイントがなんとなくわかってきます。

立地や現況の内装の状態、備品の残りなど、いわゆる程度の部分も費用に大きく関わってくるだけに、契約するつもりはなくても内見だけに行くのもアリです。

アンテナは常に立て続け、チャンスがあれば即座に行動するくらいの気持ちが必要。

ここのさじ加減が、現職を辞めるタイミングに悩むところなのですよね。

仕事を辞めるって生半可な決断ではないですから。

そのため、なんとなくでもいい、なるべく決心する前に相談できる人に意向を伝えておきましょう。

働きながら下調べするのが最も効率的です。

物件は仮押さえができない決まりがあります。

仕事をしながらだともしもこれだ!という物件が出ても、スケジュールを公休日にしか開けられず1日予定が合わないだけで数週間先になってしまうことも。

そんなことしている間に誰かに取られてしまいます。

かなり話が脇道にそれてしまいましたが、要は基準となる家賃をいかに定められるかが大切です。

賃貸保証人が必ず必要

部屋を借りる時と同様、賃貸店舗物件を借りる時も保証人が必要です。

多くの場合、「連帯保証人」が必要です。

拒否権のある「保証人」であるケースもありますが、「家賃保証会社」加入が必須の物件もあります。

ここは物件の資料には書かれていないことも多いので、なかなか考えの及びにくいところ。

親族などで頼める人がいればいいですが、なかなか難しい、無理な人も多いでしょう。

保証人が立てられない場合、「家賃保証会社」で契約することとなりますが、そこは物件(大家さん)によって異なります。

家賃保証会社に連帯保証人のかわりを務めてもらうため、利用するには審査が必要です。

もしもまだ在職中であれば、現職の内容で審査されるため、通過するハードルがグッと下がります。

しかし完全無職だったり派遣で不定期だったりすると、審査は結構難しくなってきます。

ここも、お店をやりたいと思った段階で知っておくべき内容です。

保証会社を使う場合は、月額家賃にいくらか割り増しした金額が最初にかかります。

月額保証料や、更新保証料などもかかってきますが、保証人を立てられない場合には助かるのも事実。

保証会社を使うのであれば、基本物件の家賃プラス2割程度を予算に組み込んでおきます。

敷金礼金保証金

このあたりは物件の情報に明確に書かれていますので、想像しやすいですよね。

造作譲渡

居抜き物件の場合、内装や備品、機器などを受け継ぐ時にかかる費用です。

中身にもよりますが100万200万とうのもザラにあります。

郊外に出るにつれて造作無償もありますが、不要なものを撤去する場合は産業廃棄物扱いとなるので、結構な費用がかかります。

造作を使えれば内装や厨房機器の費用が浮く、とも考えがちですが意外にそうもいきません。

造作譲渡が高い割にまともに使える備品がない、自分のコンセプトに合わないなど、大きなウエイトを占める部分なだけに慎重な判断が必要です。

私は居抜き物件希望だったので、仮に100万として考えていました。

ここまでで大体の物件にかかる費用がわかってきました。

契約書に印紙を貼らなくてはいけないこともあるので、またさらにちょこちょことかかるんですよね。

次回は続いて、内装について、何も知らない段階でどこまで考えられるのかを書いていきます。

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