【居酒屋開業出店】若い頃修業したお店の親方の話を聴く!

独立開業へのステップ

亀有で8年修業した時のお店の親方に、先日連絡を取りました。本当は直接会って話を聴きたいのですが、こんなご時世なので電話で。

20代からお店を起こして、移転もされた経験豊かな親方のお言葉はすごく参考になりました。

私が独立出店を考えていることを話すと、たくさんのアドバイスをいただいたので、ここで自分のためにも要点をまとめ、書いていきます。

融資を受ける際に気をつける意外なポイント

銀行からは融資を受ける際は、意外にお金がかかる。

印紙やなんかで、「お金を借りるのにお金がかかる」という事。こういうことは本にも出ていなかったので目から鱗でした。

一方、日本政策金融公庫では、それほど融資にかかるお金はないけど、審査がタイヘン。とのこと。

おそらくどちらも審査は厳しいと思いますが、親方のこれまで長年の実感としての話なので、「どれも厳しい」と理解した上での参考にします。

融資の事業計画は、他人を説得するつもりで書く

事業計画書は、売れる売れない関係なしに立て、「確実に返せる予定です」という根拠をしっかり示す。

もちろん絵に描いた餅計画ではなく、しっかり論理で組み立てられたものでなくてはいけませんが、何しろ未来のことなどわからない。

いくら情熱があっても、料理に対する技術経験知識があっても、銀行や国庫の担当者が見るのは「書面だけ」です。

その書面に、いかに借りたお金を返済する計画が記されているか。そこを自分の感覚と切り離して、考えていかなければなりません。

時間には絶対遅れない

昨今、インフルエンサーなどにより、「遅刻を非難するのはバカ」なんていう持論を見かけるようになりました。そういうインフルエンサーは、「遅刻を非難する人とはそもそも付き合わない」とまで豪語しています。

それは誰かから見て、インフルエンサーに何らかの人物的価値(顧客だったりお金を生み出す)があり、付き合いを断ち切られると困る人だけ周りに集まる。

「時間通りに来ない人」でも他人サイドで見て必要な存在だから、我慢したり、受け入れたりされるだけであり、

ただの一般人が、「遅刻しますからよろしく」なんてスタンスで日常生活を送っていたら、誰からも信用されないのは目に見えていますよね(笑)

インフルエンサーの利己的な持論が一人歩きし、「仕事」への時間感覚が乏しくなって行くことを危惧しています。

少し本題からそれますが、責任者になるにつれて「スタッフの遅刻クセ」には真剣に向き合わないといけません。

「寝坊をして」という表面上の理由の裏には、上司に言いにくい本当は避けられない大きな理由が隠れていることはままあります。

例えば「家族が体調を崩した」「飼い猫が病気になった」「持病の腹痛で」「重い生理痛で」など、非常に難しい問題ですが、上司は日々の雑談の中でプライベートを垣間見るような努力は必要です。

家族の事情や本人の持病などは、長きに渡って本人の人生に影響を及ぼしますから、注意深く気にかけましょう。

そうすれば、部下さんも少しでも言いやすい環境を作れますし、上司もなんらかのことに気づくきっかけを得ることができます。

仕事前はどういう行動がベストか。単純なロジックに当てはめて考えると、「定時10分前には現場着」というのが昔からの慣例です。

この辺りも、「着替え時間も労働時間」とか、「無給で○○分前には着いておくのは労基違反」「旧態依然とした考え方」とか言った意見が散見される現代。

論理的には、就業規則をまず確認し、就業前の規定の有無を調べる。特に規定がなければ労働契約の定時ちょうどに現場に就く。「それで問題ないですよね。」おそらくそれが労働側の主張でもあるはずです。

こんな自分本位な考え方だけでずっと過ごしていると、それが習慣となり、いざ本当の意味で誰かから信頼を得なければならない場面でそのしっぺ返しが必ず訪れます。

マナーと言うのは、本質的に「慣例を守りなさい」ということ以上に、人として行動すべき大切な倫理観が土台となって成り立っています。

意味をなさないただの慣例ももちろんありますし、そういったものは時代と共に淘汰されていきます。ハンコ文化なんてその代表ですよね。

じゃあ時間についての慣例は淘汰されないのか。

では、始業前10分前に来ておく、ということのメリットデメリットを考えた時、そこにはその人の仕事に対する「プロ意識」の差が明確に表れます。

仕事で大事なのは、どんなことでも「結果を出すこと」。結果に結びつくためへのプロセスには、仕事の段取りが大きな意味を持ちます。簡単に言えば、00分から結果を出していかなくてはならないのです。

そのための「準備」を整え、仕事で最高のパフォーマンスを出し続けるのがプロとして大切な役割です。

始業前に着いておくことは今の時代、上司から「強制」することはできません。いかに自主的に、準備の時間を取れるかでその後の人生も大きく変わってきます。

自分の都合だけを考え、仕事と向き合うことについて思考停止した習慣は一度身についてしまうと、「自分は正しい」という強いバイアスがかかってしまう。

それでも「イヤ、定時前は残業っしょ」と言う人はそれまで、、アマチュア以下だと私は判断します。

話がだいぶ脇道に逸れてしまいましたが、銀行や国庫の融資担当者は、「特に早急の用事でもないのに呼び出しをする」と親方は話します。

「書類にハンコが抜けていたので今日来れますか?」と言った内容で、次の日にも銀行(国庫)に行く予定なのに、今日すぐ、と言われるそう。

「明日も行くので明日ではダメですか?」と言いたいのを堪えて指定された時間30分前には必ず行くようにしたそうです。

そんなやりとりが続き、融資が決まってしばらくしてからそのことを聞いてみたそうです。「あの手続きは急務だったのですか?」

すると、担当者は「顧客が時間を守るのか見ています」と話したそう。

指定した時間に、30分前に来るのか。10分前か。5分前か。時間ギリギリか。時間を過ぎるのか。全て記録もしてあるそうです。

「時間にルーズな人は、お金にもルーズです。」

この話は、私がその親方の下で働いている時から教わってきたことです。

追い回し下っ端だった私は、仕事が始まる2時間1時間半前にはお店に入り、先輩の仕事の準備や自分の仕事の段取りをつけるの日課でした。

そんな私を見て、「銀行担当者」の話をいつもしてくださってくれました。

言い値で契約しない

親方が繰り返し言っていたのが、「まず先にまけてもらう」ということでした。

ここも結構深い話で、話を聞いていくとただケチる、ということではない。

1、戻ってくるお金は払っても、戻ってこないお金(礼金)はなるべくなくす

2、周りの相場を内見のときに聞いてみる

3、言うのはタダ、ダメならダメと言ってくる。向こうにゴリ押しされない

4、モノや備品は優しくケチをつける。転ばぬ先に杖。エアコンなど壊れると大きくお金がかかるものは特に。

5、世間知らずな自分をそのまま出す。

つまり、交渉は必要だけど、折衝力を持って相手と向き合いなさい、ということでした。

親方が契約した居抜き店舗で、実際にエアコンなどの故障でかなり痛い目にあったらしいです。

「自分がそうだったから、同じ目にあって欲しくない」という言葉が非常にありがたみを感じます。

最後はインスピレーション

「考え過ぎるのも良くないよ」

「ここならイケるかも!」という直感も大事だ、と話します。

地図や図面からは読み取れない地区の雰囲気、人通り、見やすさなど、実際に足を運んでみてわかることも多い。

色々な物件を回っていれば、そんな感覚もだんだんとわかってくる。

だから、勉強も兼ねて内見はたくさんした方がいいとのこと。

このアドバイスは、青砥で話を聞いた大将も同じでした。

その際は、「内見は勉強がてら」と言うのではなく(もちろんですね、時間を作ってくれている担当者にも失礼です汗)、「借りたいけどここがなぁ」と言う感じを匂わせることが大事。

どこまで行っても対人間でのやりとりですから、

自分はこうしたい、というのを言って、あとは低姿勢。希望は隠さず、強引は禁物。

親方の優しいお人柄ならではの考え方です。

いつかあんな包容力のある人間になれるのだろうか、と思いつつ、通話を切りました。

今、勤めではできないことを自分のお店でやっていきたい。

そして自分も人間として成長できるよう、出店を夢見て日々を送っています。

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