お店で魚を扱っていくにあたり、必要となる知識は山ほどありますが、何よりも大切なことは「基礎」。
どんな分野でも言えることなのですが、料理業界においては、「基礎」はなかなか現場では十分に学べません。
「仕事で魚を扱うことが多いけど、目の前の作業についてのことしか教わっていないから正直魚ってどういうモノなのかあまり考えたことがない」
「魚は好きなんだけど、実際どういう流通形態なのか見たことがない」
そんな方に向けて、「魚の基礎」を幅広く取り上げていきます。今回は第一回「魚体の名称」についてです。
実際の居酒屋での実戦で使う用語を説明致します。まさに今日から使える!といった内容です。
仕事をしていくにあたり、先輩などから「カマ下で3枚おろし」みたいな指示も飛んできますが、その際に具体的に名称が一つわからないだけで仕事に大きな支障を来します。
では、行ってみましょう!
魚体の表裏
まずは、魚に表と裏があるのをご存知でしょうか!?これは非常に重要な要素なので最初に説明致します。
頭を左にした状態が表、右にした状態が裏。
基本、魚が流通する時、表側が上になっていることが多いです。
そのため、裏側は氷などに触れて、表に比べて傷んでいることが多い。使う順番も、裏側が先が原則です。
3枚おろしにして、表側の身を「上身(うわみ)」裏側を「下身(したみ)」と区別します。
各部の名称
写真をご覧ください。
ヒレは、「腹びれ」と「尻びれ」が間違いやすいポイントです。
「かま」とは、えらぶたの後ろの鎌の刃形の骨がある付近です。胸びれと腹びれを含む三角形の部分を指します。脂が多く、好まれる部位です。
頬は、やわらかい筋肉質で、さっぱりしていて旨味のある身が取れます。だいたいどの魚にもウロコがついています。
側線に沿ったウロコは皮に深く食い込んでいる場合が多いため、ウロコを取る際は注意を払いましょう。
「アジ科」の魚には、側線の後部に「ぜいご」と呼ばれる棘状のウロコがあります。詳しくはわかっていないということですが、ぜいごで水流を検知しているそうです。ぜいごの下にも筋肉があります。
体長と全長はそれほど仕事では使いませんが、業者とのやり取りで知っていて損はありません。
次に断面図に移ります。
魚の断面
ここでも、魚がどのような構造になっているかをよく知る手がかりがたくさんあります。
「中骨」とは、魚の中心に通る太い骨。そこから上下に突き出る細い骨も含めて指します。
「血合い骨」は、その中骨から左右に伸びる細かい骨。おろした身の中央に細かく入り込んでいる面倒なアレです笑
真鯛では小型ですが、大型のマグロでも同じような骨があり、なおかつ血合い骨にも大きく血合いが入り込んでいるので、ここの構造はよく覚えておきましょう。
代表的な真鯛による魚体の名称でした。何かの参考になったでしょうか。
知識は技術の土台になります。
コツコツ積み重ねてこそ活きる。がんばりましょう!
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